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2009/10/12

visit his grave

20091011ozaki00

三連休の中日。
賑やかな遊園地で一日過ごした後、僕は静かに暮れていく狭山湖畔の坂道を、娘の手を引いて登った。この丘の上にある墓に彼が眠っている。

尾崎豊が亡くなってから、17年。
思えば、ここに来るまでずいぶんと時間がかかった。
大学1年の時、サークルの先輩が合宿で弾き語ってくれた『シェリー』に衝撃を受け、以来惹きこまれるように彼の歌を聴き始めた。生まれて初めてフォークギターを買い、夜の公園や下宿先近くの河川敷で彼のナンバーをよく弾き語りした。
楽曲だけでなく、彼の生き様にも打たれ、在籍が政治学科だったにも関わらず、僕の卒論は尾崎豊をテーマにしたもの。今考えれば、よく教授も許してくれたもんだと思う。

あれから随分時が流れた。彼はもうこの世になく、僕は就職・結婚して二児のパパとなり、気づいたら彼より10も歳をとってしまった。慌ただしい暮らしの中で、昔に比べて彼の歌を聴く機会も随分と減ったけど、僕の中で彼が最も大きなアーティストであることに今も変わりはない。
18歳の時から、嬉しい時も哀しい時もいつも彼の歌とともにあったような気がする。
身を削って紡ぎだす詩、全身全霊で魂を込めて歌うさま、そしていろいろ言われるところだけども併せ持つ彼の「弱さ」も含めて、今も彼は僕にとってかけがえのない存在だ。僕の中で彼を超えるアーティストはきっともう現れないだろう。

20091011ozaki01

穏やかな秋の夕暮れ。花が添えられた立派な石碑にはこう刻まれている。
―生きること。それは日々を告白してゆくことだろう―
線香をあげ、彼の好きだったセブンスターを供え、不思議そうな表情を浮かべている娘と手を合わせた。

家に帰り、クローゼットの奥から久しぶりにギターとスコアブックを引っ張り出し、つま弾いてみる。『ドーナツ・ショップ』『遠い空』『僕が僕であるために』…。とりわけ好きな初期の作品のうち比較的コード進行が容易なこんなナンバーでさえ、左指がおぼつかないのには参ったけれど。

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いくぶん調子が出始めたら今度は娘がやってきて、リクエストに答えるうちに、曲目は童謡に変わっていった…。このOvationを初めて手にした十数年前、まさかこいつで『七つの子』や『こいのぼり』を奏でることになるとは夢にも思わなかったよ(笑)。
天国の尾崎が見ていたら、きっと笑っていることだろう。



何度聴いても胸に響く。僕にとっていつまでも色褪せることのない存在。

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コメント

洋さん、こんばんは!
尾崎豊を卒論のテーマにするとは相当ですね(笑)
ちょっと読ませていただきたいくらいです。
Ovationも尾崎と一緒ですし・・・。

『僕が僕であるために』は自分もなんかすごく気になってて、たまに自然とメロディが頭で鳴ってるときがあります。

投稿: ぷくぷくりん | 2009/10/13 21:57

洋さん、お疲れ様です。いや、ホント(笑)

彼が他界した当時、まさか娘とお墓参りするなんて
思ってもみなかったでしょ?
環境は目まぐるしく変わるもんだねー
まぁでも、自分の環境は自分で作れるから・・・
っーわけでエントリーとはビミョーに関係ないけど
頑張って!(笑)

投稿: わん | 2009/10/13 22:16

ぷくぷくりんさん、こんばんは!
とっても個人的なエントリーにコメントありがとうございます。
尾崎豊の卒論、いったい何を書いたのか、自分でも
うる覚えです(笑)。
当時よく言われていたジェネレーションXと絡めて
書いたような…。
今度実家に帰った時に、もう一度読んでみるかな。

『僕が僕であるために』。いいですよね。
昔、夜の公園でこの曲を独り弾き語りしてた時に、
ピザ屋の出前のお兄さんがたまたま通りかがって
なぜか二人で歌いました。
妙な一体感というか、いい思い出です(笑)

投稿: 洋 | 2009/10/13 22:39

わんさん、まいど!
お察しの通り、ホントにお疲れです(笑)
三連休も初日は東京タワー、二日目は西武園遊園地で
娘と水入らずだったよ^^
でも、ほんと環境はかわるもんだよね。
来週のお宮参りが済んだら、少しずつ環境を変えて
虎視耽々と狙ってます、カ・ン・ツ・リ(笑)

機が熟したら、たぶん突然誘うのでヨロシク♪

投稿: 洋 | 2009/10/13 22:50

洋さん、こんばんわ!!
プロフィールの写真が変わりましたね。お風呂に入れてる写真ですね。

尾崎豊はボクも大好きで、就職をしたばかりの頃にその訃報を聞いて
その日はショックで仕事が手に付かなかった記憶があります。
今でも時折、彼の曲を聴いたり、歌ったり(笑)していますが
夜の公園や河川敷で弾き語りはしたコトはないです(笑)

Ovationボクも持ってます・・・といっても、二本ほど弦の少ない
ウクレレですけどね(笑)童謡を引き語るなら、音色も可愛らしくて
ピッタリの楽器かもしれません。

投稿: terry | 2009/10/17 23:50

洋さん、こんばんは~!!

ボクはリアルタイムで尾崎豊を聴いていましたよ。
『十七歳の地図』が高校生の時で、小遣いでLPレコードを
買いました。その後、『十七歳の地図』と『回帰線』は
CDで所有して、今でもたまに聴いております。
聴けば高校生だった当時に戻った気になって
甘酸っぱいモノがこみあげてきますね。それだけ
心に刻まれた音楽を創った彼はやっぱりスゴイですね。

投稿: ita-gon | 2009/10/19 20:31

terryさん、こんばんは!
キッチンでお風呂です(笑)。

最近は、外はおろか家の中でも弾かなくなってしまいましたが、
いつかterryさんと夜のキャンプなんかで弾き語ってみたいですね♪
きっと盛り上がりますよ!

でも童謡なら、ウクレレの方がうってつけですね。
リーフホールのウクレレなんて、なんだかとってもcoolです♪

投稿: 洋 | 2009/10/19 23:12

ita-gonさん、こんばんは!
ita-gonさんは僕の少し上だから、ほんとリアルタイム
だったんですね。

僕の中でも『十七歳の地図』と『回帰線』は特別です。
『Birth』も魂のこもったアルバムですが、個人的には
やはりこの2作が尾崎豊の名盤だと思います。

彼がいなくなってからもう少しで20年。
彼が生きていたら40半ばです。
この歳になって、やっぱり彼の30代40代の歌が聴きたかったなぁと思います…。

投稿: 洋 | 2009/10/19 23:27

洋さん、こんばんわ~。
尾崎、コンサートに行こう行こうと思ってた時の訃報でした。
考えてないで行動しろ!
人生とは何が起こるかわからないのだから。なんて思ったりしたことを思い出しました。
なかなかそれは出来てないんですけどね。今でも。

私も尾崎は大好きで、当時しばらくは泣いちゃいそうで聞けなくって、もちろんカラオケでも封印してました。

その頃の私は、ダイクマで買った兄貴の安物ギターで
ロザーナをよく弾いてました。

投稿: まちゃ | 2009/10/21 17:54

まちゃさん、こんばんは!
ライブ、僕も行きたかったです…。

カラオケで歌うと皆が引くので、
親しい友人以外時はメジャーな一曲に
抑えてます(笑)

ロザーナ、いいですね。
特にイントロの出だしが好きです♪

投稿: 洋 | 2009/10/24 23:49

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