« 風に吹かれて 伊豆の渓 | トップページ | 道志川再び »

2008/03/12

道志七里の春ヤマメ

2008030800

「道を志す」で道志。道志川。なんとも響きのいい川だ。
新宿副都心のビル群を背に中央高速を抜け相模湖東ICで降りる。
「どうし道」と言われる413号線をひたすら走り、月夜野という粋な地名の場所に架かる両国橋を越えるとそこはもう山梨県だ。
この辺りから、どうし道沿いには遊漁券売のノボリがはためき、釣り人のものと思われる車があちらこちらに止まっていた。一つのポイントに3台くらい止まっているところもある。
うーむ、僕は岐阜や愛知、長野のいろんな渓に通ったけれど、こんなに多くの釣り人の車を見たのは初めてだよ。
さすが首都圏近郊の有名河川、まだ解禁から間もないということもあって、訪れる釣り人の数も半端じゃないようだ。「やれやれ、大丈夫かな」そう思いつつも、僕のハートは次第に高まってくる。でも1尾位はいけるだろ。
そんな逸る気持ちを抑えきれずに、僕は少しだけスピードを上げて、わんさんに教えて頂いていた漁券屋さんに到着した。

車の外気温計は3℃。思ったより寒い。僕はフリースにジャケットを羽織り、ライセンスを購入。早速川を覗くと、いるはいるは、釣り人の大量放流だ(笑)
見たところ餌釣りの方ばかりだったけれど、皆さん早朝から気合が入っているようだ。
僕もこうしちゃいられない。そそくさと仕度を整えて川へ降りる。
まずは今シーズンの1尾目を出さなくちゃね。

餌釣りのおじさんの話だと、どうやら水温が低くてかなり渋いらしい。僕が毛鉤だと言うと「毛鉤にはまだ早いんじゃないかぁー」との的確な一言(笑)
「そうですね。初めは沈めますよ」と僕は笑顔で返し、空いている淵にいれさせてもらった。そういえば、この日会った釣り人は、釣法を問わず皆さんいい人ばかりだったな。
で、この時間、まだ流れにハッチはなく、相手は成魚放流のヤマメ。
僕はひとまず#16のビーズヘッドのイエローサリーニンフを結んだ。
深い淵の流れ出しからインジケーターを流して数投目、スッとマーカーが沈む。
ビビッとロッドに震えが伝わるのと同時に、水面下でヒラを打つ銀色の魚影。
よしっ!
僕は餌釣りのおじさんに混じって今シーズンの1尾目を大切に取り込んだ。

2008030801
銀色のヤマメ 放流魚だけどやっぱりシーズン1尾目は嬉しいね

1尾キャッチするとずいぶん気持ちが楽になる。
おそらく放流魚がたまっていたんだろう。同じ毛鉤で2尾追加した僕は、毛鉤を#16のドライフライに結び変え、その淵からそのまま上流へ叩き上がることにした。
のんびり叩き上がっていくと、上流にも釣り人が沢山いる。うーむ、大渋滞だ(笑)
僕は、前後の間隔を把握しながら、トップ写真のような渓相を叩き上がった。
明るい陽差し、川幅もちょうどな感じの開豁な渓に黄色いラインがループを描く。
僕はそれだけでとても気持ちが良かった。まぁ、残念ながらサカナの反応はなかったのだけどね。
まだ瀬には入ってないのかなぁ、なーんて思いながら、とある大きなプールに差し掛かり、水面を眺める僕にその光景は飛び込んできた。
…バシャッ!

ライズだ!
それもかなりいい型のようだ。
先週は伊豆でライズを取りこぼしているし、リベンジにはまさしく格好の場面だ。
#20位の大きめのユスリカと#18位のストーンフライがハッチし始めているのを僕は叩き上がりながら確認していた。
ヤツがライズしているのは、瀬尻のフラットな水面。
僕はこの日の為に巻いてきたADWなしの#18CDCダン(確認しているハッチと違うというツッコミは無しにしてね(笑))を結び、7.5Xのティペットを長めにとった。気持ちを落ち着かせるためにひとつ深呼吸。僕は膝を折り、できるだけ低姿勢を取って、右岸からキャストした。数投目、毛鉤がレーンに乗り、ライズポイントへ差し掛かかる。
でろっ…。
…バシャッ!
イメージ通り、腕を跳ね上げる!
なのに、毛鉤は先週と同じく、またしても、またしても綺麗に宙を舞っていた…。
なんでやねん(TT)
思わず出た地の関西弁に苦笑いしつつ、その後1時間ほどそのプールに突き刺さったけれど、結局ヤツが二度と水面を割ることは無かった。
ふぅーっ、やれやれ。

2008030805午後に入ると予想通り、気温がグングン上がり、ポカポカ陽気の中での釣りになった。まぁ、ちょっと風が出てきて釣り辛くなってきたのだけど。
麗らかな陽差しの中、僕は滔々と流れる水面を見つめ、水面での1尾を求めて上流を目指す。そんな中、僕はまたしてもライズを見つける。
小場所だけど今度は幾分流れのあるポイントで2つほどの安定したライズ。さっきみたいなフラットな水面ならまだしも流れのライズなら比較的釣り易いはず。
ここから、道志ヤマメとの対峙が始まった。
#18のCDCダンから始まり、#26のミッジピューパ、はては水面直下のニンフまで…。ことごとくUターンされたり、毛鉤の脇で出たり…。
管理人をナメているのか、悩めるへなちょこフライフィッシャーを前にライズは続き、かれこれ2時間もコイツラに費やしてしまった挙句、最後は掛け損ねて終了(笑)

確かに複雑で難しい流れだったけれど、ここでも管理人の完敗。
まぁ、ここまでやられると返って気持ちいくらいだけどね。
8X以下ロングティペットにCDC、しかも遠くからドラグフリーで流さないと取れないライズ。うーん、道志ヤマメは大したモンだよ、うん。今日はこの位にしといてやるか。

で、ライズゲームに熱くなっているうちに、いつの間にか夕方になってしまった。
そういや、朝イチで釣って以来、サカナ掛けてないや(笑)
できれば時間までにドライフライで綺麗なヤマメを1尾でも釣りたいな。
そう思い始めた頃、ユスリカを中心としたハッチが本格的になってきた。ユスリカのスォーミング、ストーンフライは盛んに岩に這い上がってきいる。
午前中、全く反応のなかった叩きあがりを時間までもう一度やってみるかな。
僕は、ティペットを6Xに戻し、#16の釣り上がり用CDCダンを結び、テンポ良く釣り上がることにした。もともとこのスタイルが一番好きだしね。
この時間になると餌釣りの皆さんの数も減ってきて、ある程度叩き上がる距離を稼ぐこともできる。2008030806
よーし、いくぞ、と気合をいれつつも、釣り上がり始めてしばらくは無反応。やっぱりダメなのかなぁ、初めての渓ってのはなかなか難しいなぁ、と思い始めた頃、三つの岩に囲まれたいかにもってポイント(写真右)で、突然ヤマメが黄色い腹を見せて反転した!(もちろん毛鉤のすぐ横なんだけど(笑))
「!」
これまでに何度も見たシーンのはずなのに、この瞬間に会うたび僕は胸が飛び出しそうになる。
突然飛沫とともに水面を割るヤマメ。ライズを狙うほど確信がないだけに、僕はある意味ライズよりエキサイティングだと思うし、どんな渋いときもこれがあるから僕は上流を目指すのだろう。

さっき、掛からなかったのはドラグのせいで、もう一度きちんと流せば絶対出る…はず。
そう信じて僕は暫く時間を置いた。フックを研ぎ、ティペットを確認。取り込みのルートまでイメージしてみる(笑)
そしてリトライ。ラインを引き出すCFOのジィーッというリール音が緊張感を少しほぐしてくれる。数回のフォルスキャストの後、僕は突き出た左の岩にフライラインを置き、短い距離だけど毛鉤が流れをゆっくりトレースするプレゼンテーションを行った。
ヨタヨタと漂う毛鉤をグリップを握り締め、固唾を飲んで見守る僕。
そこっ、と思った瞬間、キラメキが綺麗に水面を割った。
よしっ。今度は確実に右腕を跳ね上げる。
果たして、今シーズン初の確かな手ごたえを持って僕のロッドが小気味良く曲がった。
僕の掌に伝わる春ヤマメの躍動。
僕はすばやく慎重に寄せて、ランディングネットにその魚体を掬う。
ふぅーっ。やっとだよ(笑)
僕の新しいネットに横たわったのは、年越しの綺麗な道志ヤマメだった。

2008030802
20センチ弱だけど朝の1尾より嬉しいのは言うまでもない クリックで拡大


まだ少し痩せているけれど、厳しい冬を越したその生命力を掌で感じ、僕はその魚体を優しく流れに戻した。均整なパーマークが印象的な美しいヤマメ。数年前にC&R区間がなくなったという道志川だけど、このヤマメもこれから水が緩むにつれ、水生昆虫を飽食しもっと成長していってくれるに違いない。

またもや、春のライズに翻弄された一日だったけれど、最後にいいヤマメに出逢えてホントに良かったな。新しいネットにも入魂できたし♪(釣行に間に合うようにネットを発送頂いた加ト毛さんに感謝です)
そうそう、道志川についていろいろ教えていただいたわんさんにも大感謝だな。
道志川はとても良い里川だった。首都圏近郊の激戦区、ライズも僕にはちょっと手ごわいけれど、その分楽しみが増えたってモンだ。
もう少し季節が進んだらまたこの流れを訪れよう。

2008030803

|

« 風に吹かれて 伊豆の渓 | トップページ | 道志川再び »

コメント

洋さん、お疲れ様です。
僕等ブログ確認してる時間がよく似てますね(笑)。

それにしても、道志デビューおめでとうございます!
まずは気に入ってくれたようで、僕も嬉しいです。
関東の渓だからと自分のスタイルを変える必要は無いと思いますよ。自然体にいつもの洋さんのやり方で行けばきっと道志は答えてくれると思います。

『その道、志す者、訪れる川』だ、そうです。
昔、ある商店のおじいさんが言ってました。
これからもっと良くなるので、またご一緒しましょう!

投稿: わん | 2008/03/12 23:09

洋さん、こんばんわ!!
本格的解禁しましたね!!
関東の激戦区での初ヤマメおめでとうございます!!
ランディングネットの渋めのオリーブ
ヤマメのカラーとのマッチングが良いっすね。
こうやって仲間の写真を見ると、ボクのネットは
ちと派手過ぎたかな〜(汗)
何はともあれ、ニンフとドライで釣りが楽しめたのは
気持ち良かったでしょう!!

それにしても、洋さんのラストの勝負強さは天性のものですね。
ドラマチックな展開、楽しませていただきました!!

投稿: terry | 2008/03/13 00:19

洋さん、毎度です。

関東での初ヤマメ対面おめでとうございます!!
道を志す川で道志川かぁ・・・素敵な表現ですね。
ハッとしてしまいましたよ。

それにしても、山梨が間近にあるというのは僕には
ちょっと憧れちゃいますよ(^^;

来週は僕も山梨入りします。2日間は道志川の近所で
暮らす仲間のところへお邪魔させていただいて
じっくりライズの釣りをするつもりです。が・・・
多分今回も苦戦は必至だろうなぁ・・・

投稿: Rolly | 2008/03/13 19:01

わんさん、こんばんは!
>僕等ブログ確認してる時間がよく似てますね。
いつも、まっとうな時間じゃないことだけは確かです(笑)

道志川、いい川ですね。出逢った釣り人も皆さん
いい感じでしたし、ライズが多い割に簡単に
釣れないところが気に入りました(笑)
次こそはライズ取りたいなぁ。
…って次いつ行けるか未定なんだけど^^ヾ

今度は是非ご一緒したいですね♪

投稿: | 2008/03/13 22:25

terryさん、毎度です!
新しいネットはterryさんの同級生さんから
購入いたしました。
萌黄色というかオリーブのカラーも
なかなかいい感じでしょ^^

僕は、ラストに強いというより、ラストまで
釣れないって言った方が正しくて、
本当はラスト前にしっかり釣りたいんですが…(笑)

投稿: | 2008/03/13 22:32

Rollyさん、こんばんは!
道を志す者…。確かに素敵な表現ですね。
そういう意味では、軟弱で志の低い僕が苦戦したのは
必至だったのかもしれません(笑)
もっと修行しなきゃならないなぁ。

道志川は桂川の支流。桂も関東屈指の激戦区ですよね。
でもその分、釣れるサカナも素晴らしいと聞きます。
いい釣り旅になることを祈ってます♪

投稿: | 2008/03/13 22:41

ラストチャンスゲッター洋さん、こんばんは。
冒頭写真、何だか当貝津の学校前とそっくりな感じで、
こちらに来てたの?なんて思いそうです(笑)。キレイな
ヤマメ!の写真を拝見すると大きな勘違いだった…
とわかりますけど(^^ゞ。
いずれにしても、相変わらず釣りを楽しんでおられるようで
何よりです。いよいよ洋さんの大好きな釣上りが楽しめる
季節到来。お仕事と子育てで大変かとも思いますが、
ガンガンと釣りに出かけて(名古屋時代以上に)楽しい
レポートをお願いします。

投稿: godzilla2004 | 2008/03/14 22:22

godzillaさん、こんばんは!
そうですね。川そのものは当貝津下流部の渓相
と似てるかもしれません。
でも、出逢う釣り人の数がハンパじゃありません(笑)

道志川までは、片道2時間なので、ぎりぎり半日
チョイ釣り圏内かなと…。
ってことで、出撃の機会を虎視眈々と狙ってます(笑)

投稿: | 2008/03/15 21:36

こんばんわ♪出遅れました。
これが3本目のニュー・ネットかな?渋いグリーンのネットカラーですが、すごくいい色ですね!
2枚目のヤマメはいいコンディションでしたね~。

投稿: narukawa119 | 2008/03/17 20:09

narukawaさん、こんばんは!
2本失くして、3本目ですね(笑)
Hi'sネットという1本目と同じネットですが
前のブローディンより相当軽くてグッドです。
色もなかなかでしょ?
今度は絶対失くさないようにしなきゃ♪

投稿: | 2008/03/20 00:53

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/32734/40444878

この記事へのトラックバック一覧です: 道志七里の春ヤマメ:

« 風に吹かれて 伊豆の渓 | トップページ | 道志川再び »