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2007/03/25

スローフライフィッシング

20070324kansaj01

今日の釣りは、のんびりゆったり、スローなスタイルで行こう…。
僕は釣行前からそう決めていた。
2週間ぶりの寒狭川上流での釣り。それも午前中だけの釣行。
そして、次の釣りは引越し後の恐らく4月の中旬以降になるはずだ。
だから短時間でもフライフィッシングの愉しみを噛み締めるような釣りがしたい、
そう思ったのだ。

僕の釣り上がりは、そもそも下手なテクニックを足で補う釣りだ。
テンポがいいと言えば聞こえがいいのだけど、正直なところ実にそそっかしい(笑)
ついつい目の前の流ればかりに目が奪われ、ひとたびパイロットフライを結ぶと前のめりのキャスティングでどんどん釣り上がる。
周囲の状況が見えてないから、バックの樹を釣ったりするトラブルも多いし、毛鉤やティペットの交換も雑になっている。何よりフライフィッシングで大切な自然観察が疎かになっていたかもしれない。
だから、今日は全ての動作を意識してスローにして釣り上がることに決めたのだ。短時間の釣りだからこそ目的意識をもつことが大切だしね。
20070324kansaj00まずは、ティペットをしっかり接続。サージェンスノットで3回転。毛鉤をユニノットで確実に結んだらフックシャープナーで針先を研ぐ。キャスト前にライズがないか水面をよく眺め、キャストスピードもできるだけスローにする。そんな釣り上がりだ。
もちろん、毛鉤を替えたら、フライボックスを収容しているベストのポケットのファスナーが閉まっていることもしっかり確認するから安心だ(笑)
釣り始めた朝8時の気温は5℃。先々週の極寒釣行に比べりゃポカポカなんだけど、水温0℃ってホントかなぁ。
ミッジや小さめのメイフライがちらほらハッチしてるし、僕の水温計やっぱ壊れてる気がする(笑)

と、ふと、岩場にまだ乾ききっていない足跡を確認。やはり土曜日。既に先行者はいるようだ。でも今日は場所を替えたり、あくせくするのはやめにしよう。むしろ、上流にはやる気持ちを抑え、釣り上がりのテンポを遅くするには打ってつけの理由だしね。朝一番に入るのは恐らく餌釣りの方だろうから、餌では狙いにくいポイントを中心に丁寧にを責めればいいことだ。時折、石をひっくり返してニンフを探したり、岩に腰掛けてデジイチのスローシャッターで水の流れを撮影(トップ写真)したり、ともかくスローに、そしてワンキャストワンキャスト丁寧に、意味を持たせながら僕は釣り上がった。

釣り上がって暫くは、水面は押し黙ったままだったのだけど、時間の経過とともにハッチも増え始め、先々週のお返しとばかり小さなアマゴ達が僕の相手をしてくれた。20070324kansaj02
4寸ほど。稚魚放流の個体。毛鉤は#16アダムスパラシュート
ちっちゃいサカナはアップで撮ります(笑)

続いて今度は支流に歩みを進める。こちらは本流に比べてかなりの渇水だったけど、水温が幾分高いようだ。ふと見るといつの間にか大型のメイフライが僕の周りを盛んに飛び交っている。どうやらまとまったハッチが始まったようだ。
普段の僕なら嬉嬉として釣り上がるところだけど、今日の僕はやっぱりスロースタイル。
今後の為にも、帰宅した後なんていうメイフライか調べてみようと思い、ロッドを置いてキャップを片手に捕獲作戦開始(笑)。メイフライには悪いけどね。
今シーズンは水生昆虫についても、もっと観察して楽しく知識を深めていきたいな。

20070324kansaj03

ナミヒラタカゲロウ…かな?

無事撮影が終わると、早速このメイフライに似たグレーの釣り上がりタイプのCDCダン#14をフライボックスから摘み出し、ティペットに結ぶ。いつも以上に、後方、上方の障害物に気を配り、できるだけ落ち着いてキャストしながら釣り上がってく。時にはしゃがんだり、ロッドを小さく振ったり、ポイントまでの距離をとったり…。僕の釣り仲間みたいに綺麗にはいかないけれど、僕なりにラインの置き方や毛鉤の流れ方にいつも以上に気を使って、僕は流れに毛鉤を投じた。
20070324kansaj000 と、とあるポイント。流心のど真ん中からヒラキにかけて毛鉤を流すと白泡の切れ目辺りで飛沫が上がった。前回前々回の掛け損ないの反省から(笑)、一呼吸置いてロッドを立てると、小気味よい躍動が僕の手のひらに伝わってくる。よーし。
慎重に寄せると、そいつ5寸ほどだけど元気いっぱいのイワナ。今シーズン僕の初のイワナ(←クリックで拡大)に自然と笑みがこぼれる。
一日の釣行で、アマゴもイワナも手にする幸運に恵まれると、何だかとても満ち足りた気分になるのは僕だけじゃないだろう。このイワナはまだまだここで成長できるはず。またな…。思いを込めて、流れに戻るイワナを見送った。

今にも泣き出しそうな曇天の下、例のメイフライのハッチはまだ続いていた。小さいアマゴを追加して暫く行くと、僕の目の前に小さなプールが広がった。
すぐキャストせず、プールの前で腰を据えてしばらく水面を眺めてみる…。
と、ポーツン、ポツーンと小さな波紋が見て取れた。おぉ、ライズだ!
いつものように結んでいる毛鉤をそのまま直ぐ投げたくなる衝動を抑え、ライズを分析してみる。スローなこの日は珍しく心の余裕もあるのだ。既に数尾キャッチしていたしね。
ライズを前にしっくりと結ぶ毛鉤を考える。
ライズの仕方はディンプルだから、さきほどのメイフライのダンを捕食しているとは思えなかった。このプールに限って言えば例のメイフライのハッチは散発にすぎないしな。
ライズは白泡の切れ目のゆるい流れで密やかに続いているけど、捕食対象は僕には見えなかった。だとすれば、イマージャーかユスリカだろうか?たとえ見当はずれの推論だとしても、流れを前に思考するのがフライフィッシングの愉しみだ。Cdcdun04
先週は#26のミッジアダルトでライズを掛け損ねているし、ミッジピューパにしても毛鉤が小さすぎると取り込みが心もとない。メイフライのイマージャーと考えると、手持ちのフローティングニンフはあまり試したことがなく実績もない。この局面でいきなりキャストするのは少し気が引けた。半沈み系のヘンドリクソンパラシュートにも手が伸びかけたけど、少しサイズがでかいし、ADWが嫌われるかもしれない。
で、考えた挙句の僕の選択は、昨シーズンgodzillaさんに教えて頂いた#20相当のCDCダンだ(写真右上)。去年石徹白で尺イワナを上げたこの毛鉤。黒を結べば、ユスリカもカバーしてくれそうだしテールがないから少し沈めばイマージャーに見えなくもない。よし、コイツで行こう。念のためティペットを付け替え、何度も強度を確認する。
プレゼンテーションを前にだんだん自分の胸の鼓動が高まってくるのが分かる。
きっとワンキャスト目が勝負だ。
プール手前の右岸にポジションを決めて、必要な分だけラインをジィーッとCFOから引き出す。流れはとても緩やかなのでスリークォーター気味にキャストすれば、自然にフライ先行で流れる…はずだ。

ワンキャストで決めようと思ったけれど、結局2回ほどフォルスキャストして、毛鉤をプールの流れ出しに乗せる。スカムラインをトレースしてゆっくり流れる僕のCDCダン。
よしっ、上手くいった。
儚く漂うたった1センチほどのこの白くぼんやりした水面の点に僕の思いが込められている。グリップを握る手に力が入る。
20070324kansaj05_3ライズポイントに毛鉤が差し掛かった瞬間、音もなく毛鉤が水面下に消えた!きたっ。
一呼吸置いて、右腕をゆっくり挙げる。グッとスローアクションのロッドがしなり、次の瞬間、僕のこの手にサカナの重みが伝わってくる。
静から動へ、バシャバシャと水面に水飛沫が上がる。ピンと張ったサンライズのラインで繋がった僕とサカナ。
底に潜ろうとするサカナを止め、すばやくラインを手探る。だけど焦りは禁物、寄せもスローに、慎重にだ。
最後にツゥーと水面を滑ってきたところをネットで掬う。
よしっ!思わず声が出る。

ネットに収まったのは丸々太った7寸ほどの綺麗なイワナ(上写真 画像クリックで拡大)
名も無き渓で懸命に生きるサカナはやはり美しく、僕を魅了する。丁寧に写真撮影した後、僕は最高の気分でその日の釣りを締めくくった。

意識してスローなフライフィッシングに徹した半日。
個人的に得るものがとても沢山あった気がする。テンポのいい釣り上がりにも、自然観察に基づく的確な状況判断や一呼吸置ける心の余裕、それが加わればもっと僕のフライフィッシングの愉しみは深まるはずだ。
これから本格的な春になれば、樹々は芽吹き、草花が色づき、野鳥達が囀り、渓はさらなる輝きで溢れるに違いない。そんな渓全体の息吹を肌で感じながら、ゆっくり釣り上がっていく愉しみ。暫く釣りに行けないけれど、今日のスローなイメージを大切にして盛期の釣行に繋げていきたいと思うのだ。
まぁ、実のところ、ライズに熱くなるうちに終了時間をオーバーしてしまい、予定時間より帰宅が遅くなってしまった。こっちの方のスローはマズかった(笑)

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コメント

こんばんわ♪
いい釣りしましたね~。
フィッシングスタイルの全てを楽しんだようで、う~ん、まだまだ私には出来そうもありません(汗)
細身で美味しそうな(笑)ダンのフライですね。フックは何をお使いですか?

投稿: narukawa119 | 2007/03/25 21:57

お久し振りですm(__)m
アマゴもイワナもしっかりキャッチされてますね~
私は洋さんの車を横目に見ながら、朝霧池に行って来ました^^;

本日は段戸湖まで見学に…^^;
その途中、昨日からの雨で寒狭川はかなり増水してましたが、
上流部は昼頃には釣りになりそうな状況でした。

投稿: sammy | 2007/03/25 22:27

洋さん、こんばんはっ^^!

スローフライフィッシング…なんてイイですねぇ。寒狭川らしい
プリプリ(?)のアマゴとイワナもご挨拶してくれたようで…。
凛として着実に釣りあがっていく洋さん、ご自身に課したテーマと
クロスオーバーして、フライフィッシャーとしてのステージの
ランクが上ってきているなぁって傍で見ていると思えちゃいます。
あ~、私も寒狭川のイワナ釣りたくなってきましたよ(笑)。
釣りの楽しみは多岐に渡りますが、私の場合はナンと言っても滅
法キレイな自然の中でオサカナに遊んでもらうこと(かな?(笑))。

寒狭川上流、またご一緒してくださいね~。

投稿: godzilla2004 | 2007/03/25 23:38

忙しい中の釣行お疲れ様です!!

スローフライフィッシング・・・ドキっとする言葉です(^^;
気がつくといつも釣ることに夢中になってしまってる僕、いつまでたってもそんな域に達する事ができないままなんですよ~。
とはいえ、それが自分のスタイルなので諦めてる部分もあったりなんかして。そんな僕ですが懲りずに今後ともお付き合い宜しくお願いしますね。

それはそうと凄く綺麗なイワナですね。この釣りをなさった頃まではまだ冬っぽい感じですが、もうこれで暖かくなりそうなので今後に期待ですね!!!

投稿: Rolly | 2007/03/26 20:07

洋さん、こんばんは~!

スローに釣りあがるってなかなか難しいですよね。
僕もかなりせっかちな方なのでついつい雑に釣りを
しちゃいますね。そうなるともう泥沼・・。
周囲の状況も見えなくなるし、当然サカナも出てくれない。
そしてまたスピードアップして悪循環の繰り返しです。
洋さんを見習って今度は僕もスローフィッシングに挑戦です。
ところで何処に引っ越すの?

投稿: ita-gon | 2007/03/26 21:28

narukawaさん、毎度です!
限られた時間しかなかったので、逆に意識して
スローにできたんだと思います^^ヾ
前のめりのカツカツスタイルから、ちょっとでも
周囲を見渡し自然観察を楽しめるような心の余裕を
持てる様なスロースタイルになれればいいな、と
エントリーしてみた次第です。
でも、現実には、僕もまだまだ修行が足りません(笑)

写真のCDCダンのフックは、杉坂さんとこの
TP77(ケンキューブ)ってヤツです♪

投稿: | 2007/03/26 22:05

sammyさん、ご無沙汰です♪
えーっ、僕の車の横を?
それは、是非、お会いしたかったですね。
LTMをボンネットの上にでも置いて頂ければ
すぐsammyさんのあとを追いかけたのに(笑)

僕が釣ったときは渇水気味だったので、
雨後で少し水の引く明日アタリは絶好のコンディション
かもしれませんね。もちろん僕は行けませんが^^ヾ

投稿: | 2007/03/26 22:11

godzillaさん、こんばんは♪
ホントは2週間前のあの日にgodzillaさんに
このイワナを釣って欲しかったんですが、
流石にあの日は寒すぎましたね(笑)

そうそう、サカナ釣りばかりにあくせくせず、釣り上がり
そのものを大人の余裕でゆったり楽しむスタイルってのは、
何を隠そうgodzillaさんに学ばせて頂いたところ大なんですよ^^
まだまだへなちょこですが、今後とも楽しいご指導ヨロシクです!
引越しが落ち着いたら、またご一緒させてくださいネ。

投稿: | 2007/03/26 22:28

Rollyさん、毎度です♪
いやいや、スローったって、僕の場合テクがついてこないので
傍から見てたら、きっと何をトロトロやってんのかな?
って思われるだけかもしれません(笑)
でも、釣りに夢中になりつつ、ふと足元の草花を綺麗だな~と思ったり
流れをぼーっと見つめて珈琲を飲んだり、そんな心の余裕があったら
素敵だなぁ…と。
ご存知の通り、僕も夢中になってどんどん釣り上がるスタイル
なので、いつも心のどこかにそういう余裕も持ちたいと思ってます^^

そうそう、引越しが落ち着いたら、いよいよ石徹白にもいきたいと
思ってるので、是非またご一緒して下さいね♪

投稿: | 2007/03/26 22:44

ita-gonさん、こんばんは。
地震大変でしたね。でもご家族がご無事で何よりでした。

悪循環、ita-gonさんでもあるんですね~^^
僕なんかそんなんばっかりなのでちょっと安心しました。
でもそういうイライラを乗り越えての1尾なんかが
また格別だったりするのでやめられないですよね、やっぱり(笑)

ところで、引越しは今住んでるとこから徒歩数分ととこなんです。
築34年のボロ社宅から築4年の綺麗なマンションへ引越し^^
なのに自己負担は同額なんて、笑っちゃいますね♪

投稿: | 2007/03/26 23:29

洋さん、こんばんは!
もう初イワナですか。おめでとうございます。外は寒さがぶり返してても、水の中は着実に春へと向かっているみたいですね。
“スロー・フィッシング”いい言葉ですね。最近はやりの“スロー・ライフ”“スロー・フード”みたいで、いかにも“たのしんでる”感じがします(私はこのところ腰がおもくて自然に“スロー”になってしまいますが・・・・)。

投稿: ねねこ | 2007/03/26 23:31

洋さん、こんばんわ!!
やっぱ、洋さんの水温計壊れるよッ!!
0度って、あり得ない・・・水って凍りますよね。
今度黄昏店長さんにお願いしておきましょう(笑)

それはそうと、次は4月の中旬以降ですか。
そのときタイミングが合えば、ご一緒したいですね。
久し振りに渓流で、楽しく大きな声を上げましょう。
そのときまでに水温計は新調しておいてください(爆)

投稿: terry | 2007/03/27 00:06

ねねこさん、ありがとうございます!
寒の戻りを経てやっとこさ暖かくなってきましたね。
僕も今日から通勤時にコートを羽織るのをやめました(^^)

今度、ご一緒するときは昨年の左俣みたく、是非スロー
フライフィッシングで楽しみましょうネ♪

投稿: | 2007/03/27 23:14

terryさん、毎度です!やっぱ壊れてますよね~。
実はいつもgodzillaさんの最新鋭赤外線温度計と
5℃ばかり違うので、うすうす感づいてました(笑)
今度ご一緒する時までには新調しときますから…。
と言いつつterryさんには5℃低く教えたりして(笑)

冗談はさておき、はやく一緒に渓で喚声上げたいですね♪

投稿: | 2007/03/27 23:37

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受信: 2007/03/29 07:14

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