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2006/08/26

イワナ、カミナリ、山親爺!

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(全ての画像はクリックで拡大します)

夏の釣りと言えば僕の中ではやっぱりイワナ釣りだ。
気温も低く水温も適正に保たれる木曽の高地にある峪。
水面に毛鉤を浮かべると、何処からともなく現れ、時には素早く、時には悠々と毛鉤を咥え反転する夏イワナ。僕の毛鉤にまんまと騙され、きょとんとネットに横たわる姿は何度見ても微笑ましく、そして愛らしい。

20060825kiso2 久しぶりの終日単独釣行となったこの日も、沢山のイワナ達が僕を迎えてくれた。
TOPの写真のような5、6寸のアベレージに、時折8寸程度の良型も混じる。
ヤマメやアマゴを釣ると何だか自分が彼らとの『知恵比べ』に勝ったような少し鼻高々な気分になるのだけど、イワナの場合のそれは「僕なんかの毛鉤に出てくれてお前はいいヤツだな。」みたく至極謙虚で温かい気持ちになってしまうのは僕だけかな。今日の水況は、6月に訪れた時から見ると明らかな渇水だったけれど、イワナ達は巻き返しやちょっとした淀みなど、いかにも彼らが付くべきところにちゃんと付いていてくれた。
そう、彼らはとても律儀なヤツラでもあるのだ。

それにドリフトをミスっても、毛鉤にさえ触れてなければ2度目に出てくれることだって多い。この日も、「しょーがねぇなぁ、出てやるよ、ほら」みたいに毛鉤に出てくれること多数。にも関わらず、ソイツを掛け損ねたりバラしたりするのは、全く持って僕のせいで、彼らに罪はないのだけど。やれやれ(笑)。

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ライツロイヤルをかっさらった8寸。そんなに睨むなよ~。

そんなこんなで、愛らしく律儀な上に寛容な木曽イワナ達と戯れているうちに、いつの間にか空からポツリポツリと雨粒が落ちてきた。オマケにカミナリ付きときたもんだ。
慌てて車へ避難する管理人。シートに腰を沈めてコンビニのオニギリをお腹に放り込みつつ、さっき釣ったイワナの表情を思い浮かべてみる。そんな風にして雨粒の流れる車窓を眺めるのも悪くない時間だ。こんな通り雨も夏の釣りならではなんだから。
案の定、1時間ほど昼寝して目覚めると既に雨は上がり、空には夏の陽射しが戻っていた。

早速、釣りを再開しようと車を降りて、次の入渓ポイントへと足を進める。
その光景が突然偏光グラス越しに飛び込んできたのは、いつもの獣道を1分ほど歩き、いよいよ河原へ降りようとした瞬間だった。
手前の河原をノシノシ歩く黒く精悍な獣身。一瞬何だか判らなかったけれど、事態を飲み込むのにそう時間は掛からなかった。
「く、熊だ!」(もちろん声にならない…)。
距離にして僕から5M位。体長は1.5M位だろうか…。野生の色艶のいい毛並みが陽射しを反射して黒光りしている。
幸い、樹木越し上方のコチラには気づいていないようだが、近くに連れ添いがいるかもしれない。笹薮だらけの獣道の中、一気に血の気が引く丸腰のへなちょこFFM。
「まずい…」始めは黙ってゆっくりと後ずさりし、少し離れるや否や一目散にその場を立ち去る。あー、車に逃げ込むまで生きた心地がしなかったな、ホント。20060825kiso4
今なら、写真撮っときゃ良かったな…なんて思うけれど、そんときゃそれ所じゃなかった。遭遇したのは、車や住人の通る舗装道から歩いて1分の足らずポイント。すぐそばには別荘も立ち並んでいる。とは言え、やはり標高1130M(→)の山の中。ここは彼らのテリトリーでもあるのだ。勿論熊鈴は付けてたんだけど、やっぱ、出るときは出るんだなぁ。動物園以外で初めて見たよ。皆さんもお気をつけ下さい。
(密かに腕時計『プロトレック』に新調しました♪)

20060825kiso5 勿論、その区間は諦め、別の区間を釣り上がることに。その後、ホイッスルを5分に一度はけたたましく吹き鳴らすハメにはなったけど、イワナ達の反応は引き続き良くコンスタントに毛鉤に飛びついてきてくれた。
そうそう、夏の日中にも関わらず、6月に見たのと同じ大型のメイフライのハッチも散発ながら確認できた。渇水とは言え、恐らく先行者もおらず、条件も良かったのだろう。
左の写真は蜘蛛の巣に囚われたおびただしい数のメイフライ。
テレストリアルと同じくらいCDCダンにも反応してくれたのは彼らのハッチのお陰かな。

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イブニングに出た8寸のイワナ。
この体躯から生み出される推進力で3番ロッドを弓なりに絞る。

結局、朝10時頃から夕暮れまで、熊以外(笑)、僕以外の釣り人とは一人も会わず、存分に夏イワナと遊んだ夏の一日。
時折、竿先にとまる赤とんぼと、いつの間にか早くなったイブニングタイムが、夏の終わりをそっと僕に教えてくれていた。
僕の愛すべきイワナ達。彼らと逢えるのももうあと一ヶ月なんだな。

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コメント

洋さん、ご無事でなによりでしたね~。
単独釣行の時は、ほんと気をつけてくださいね。今回だってチョットタイミングがずれてたら、川原でバッタリ・・・・だったかも。ひとりでも「うるさい釣り」すれば大丈夫かな?
まあ冗談はさておき、木曾らしいイワナですね。先週の魚と雰囲気が違いますね。残りわずかな今シーズン、もっといろんなイワナを釣りたいですね。

投稿: ねねこ | 2006/08/26 22:26

ねねこさん、こんばんは!
ご心配をかけ申し訳ありません。
今回遭遇したポイントは、車を駐車した地点から
徒歩1分のところで、まさにこんなトコロにいるのかっ!
って感じでした。
僕の甘い認識をかえなきゃなりませんね。
これからは、必ずきっちりホイッスルを
吹きますよ。
独りのときは意外と黙々と釣るタイプですからネ…
ってバラした時は独りでも「わーっ」て大声ですが(笑)

木曽のイワナの雰囲気ってイイですよね。
今シーズン、あと1回はまたこの渓に
行くつもりです^^

投稿: | 2006/08/26 22:38

洋さん、お疲れ様です。
おお、ついに遭遇されましたね(^^;

ボクも、数度遭遇したことありますが、
一番驚いたのは数百メートル下流には民家もある
飛騨のとある渓流。
ヤツはボクの15mほど上流の浅い瀬を渡っていきました。

不思議と「怖い」とは思わなかったなぁ・・・
そのまま何事も無かったかのように其処を通り越して普通に釣りしちゃいました。

山里近くで会う彼らは、彼らも恐る恐る下りてきているからあまり刺激しちゃいけない、、と聞いたことがあります。たかがツキノワグマですが、何かあってからでは他の釣り人にも迷惑をかけかねないので「会わない心がけ」は大事かもしれないですね。
ボクも気をつけます♪

投稿: Rolly | 2006/08/27 00:27

洋さん、こんばんはっ!
接近遭遇しちゃいましたか。私も左俣の翌日、P木之下さんから目的の溪に行く途中、車中からでしたが前方の斜面を登っていくクマを見ました。車中からだったし高速で通り過ぎたので怖くはありませんでしたが、5メートルとは怖いですね。
私も気をつけないとダメですね。単独釣行でも寡黙な釣りは良くないかも。「脱洋さん宣言」で寡黙な釣りを目指そう(笑)としていましたが撤回します。クマ・センサー付いているような時計が欲しいっす(無理ですね(^^ゞ)。
いずれにしても、注意深く、用意周到で釣りに行くように心がけます。

投稿: godzilla2004 | 2006/08/27 00:58

洋さん、こんにちは!
ついに出逢っちゃいましたかぁ、森のクマさん。実際に出逢ったときの恐怖心は独特のものがありますね~。私も過去2度ほど経験があります。1度目は川を挟んだ向こう岸で。2度目は川へ降りていく林道を曲がったときに、前方10数メートル先に親子連れが…。このときはもうパニクりましたね。車に走って戻り、血の気が引いたのを覚えています。
その後、鈴やらホイッスルやら撃退スプレーやら、防熊グッズがやたら増えちゃいました。単独釣行時はお互い、気をつけたいですね。

投稿: ita-gon | 2006/08/27 08:20

洋さん、こんにちは~

木曽に行っていたんですね?偶然!!
しかし凄い体験と言うかご無事で何よりです!
しかも洋さんの冷静な行動。ワタシだったらパニクッて笛を吹きまくちゃうかも・・・
逆にクマサンを興奮させるんだろうな^^;
今回のワタシの釣行はクマではありませんが、2つの渓でサル集団を発見しましたけど笛では逃げませんでしたね。

投稿: attuu | 2006/08/27 10:22

Rollyさん、おはようございます!
フライフィッシングを始めて、初めて
遭遇しましたよ。
でも見た目は大型犬みたいで実のところ
イメージしていたよりずっと小さく感じました。
ツキノワグマは成獣でも体長1.5M位で、
ヒグマより小さいんですね。
その分冷静に彼(彼女?)に刺激を与えることなく
その場を離れることができたのかなと思います。

でもホント「遭わない心がけ」が大事ですね。
今回のことはいい勉強になりました。

投稿: | 2006/08/27 10:40

godzillaさん、毎度です!
やはり寡黙な釣りはマズイようです^^
とは言っても、あんまり独り時にわめいていると
かなりイタイ釣り人と思われますから
難しいところです(笑)

冗談はさておき、最近は熊たちが里山まで
降りてくることが増えているようですね。
彼らの食糧事情も相当シビアなんだろうな。
山に入る以上、彼らのテリトリーに侵入しているのは
我々であって、やはり謙虚な気持ちで
彼らに遭わない様周到な準備が必要ですね。

godzillaさんと二人で入れば、
うるさくて大丈夫だと思いますが(笑)、
単独行の時はお互い気をつけましょう!

投稿: | 2006/08/27 10:53

itagonさん、どうもです♪
確かに一瞬血の気が引きますよね。
でも背中を見せて走って逃げると
熊の習性上追いかけてくるようなので、
ゆっくり後ずさりしながら現場を離れました。
離れた後は、林道を猛ダッシュ!
その際木の枝にランディングネットがひっかかり、
かなりアタフタしたことはエントリーに
載せてません(笑)

そうそう、撃退スプレーで思い出しましたが、
昔「熊スプレー」ってのがあると聞いたとき、
僕は虫除けスプレーみたいに自分に吹き付ける
モノだと勘違いしてました^^
アレ、自分に吹き付けたら大変なことになりますネ(笑)

投稿: | 2006/08/27 11:00

attuuさん、こんにちは!
調べてみると、「コチラの存在を気づかせると
向こうから立ち去っていくことが多い」ようなんですが、
樹木越しで段差もあったとは言え、ちょっと近距離だったんで、
無理に気づかせて刺激するのもどうかと思い、
そっと立ち去りました。
そのクマは河原を上流に上っていっていたので、
車で一息ついたあと、安全な橋の上からカメラを
構えて待ってましたが、結局現れませんでした。
結局彼もその並外れた嗅覚と聴覚で
僕に気づいたのかもしれませんね。

ところでサルも集団になると、かなり厄介な存在なようです。
スズメバチやマムシなど渓流に潜む危険は
他にも沢山ありますもんね。
お互い気をつけていい釣りがしたいですね^^

投稿: | 2006/08/27 11:11

洋さん、こんばんわ!!
会っちゃったの?それも5メートルの至近距離で!?しかし、そんなコトがあっても釣りを続ける度胸は凄いな〜。ボクなら完全撤収しちゃいます。釣りはウルサイけど、結構小心者なんです(笑)
何気なく新調したプロトレック、標高も計測できるスグレモノなんですか?イイっすね。それよりも目盛りを読み間違えないような、デジタル系の水温計も新調したほうが・・・(笑)

投稿: terry | 2006/08/27 20:20

洋さん、こんばんわ。
つ、ついに遭遇してしまったのですね、森の熊さんに。自分も以前、御岳で熊に遭遇しましたが生きた心地がしませんでしたよ。冷静な対応、さすがです。
近年、熊の話題が多いので先日ニューアイテムを購入しました。それは「はっかスプレー」。ショップで話を聞いたら虫避けはもちろんですが、はっかの臭いで熊避けにもなるということでした。タバコをやめてしまった自分には貴重なアイテムとなりそうです。
これからは鈴、笛、スプレー、はっかの4点セットが欠かせないかも?!
今シーズンも僅かですが、お互い気をつけていい釣りをしましょうね。

投稿: 1652 | 2006/08/27 22:58

terryさん、毎度です♪
遭っちゃいましたよ~、マジで。
その後はかなり離れた区間で釣りをしましたが
ポイント毎に、360度回転しながらホイッスル
吹きまくりでした。
フロータント処理より笛吹いた回数の方が
多かったなぁ、間違いなく(^^ヾ

あと、温度計の件、鋭いツッコミ有り難うございます(笑)
でもこの時計、水に浸けると水温も計れるそうですよ。勿論デジタル表示で!
ってことで次回、ご一緒するときは水温測定は
僕に任せてください。
わざと間違えてterryさんを混乱さすようなこと
はしませんから(笑)

投稿: | 2006/08/27 23:35

1652さん、こんばんは♪
まだ渓に入る前でしたし、すぐそばに車も
人家もあったのでまだ余裕がありました。
でもこれが、誰もいない山奥の狭い峪だったり
したりしたら、それこそかなり慌てたと思います。
ある意味ラッキーでしたね。

それはそうと、ハッカの話は初めて聞きました。
僕も最近ハッカスプレーを購入したので嬉しい話ですね。
あとは、カウンターアソールト。
でもアレ高いし、ちょっと大袈裟で重そうなんだよなぁ…。

投稿: | 2006/08/27 23:45

洋さん、こんばんは!
熊との遭遇、恐ろしいですね。ご無事で何よりです。僕は普段、熊の出る川へは入りませんが渓流釣りを続けていると何時かは・・・と思います。
アマゴを釣ると「シテヤッタリ」な気持ちになり、イワナの場合は謙虚な気持ちに僕もなりますよ。イワナのやさしい表情がそう思わせるのかもしれませんね。

投稿: BILL | 2006/08/28 03:57

BILLさん、こんばんは!
いつかは出遭うだろうなぁと思っていましたが
まさかあんな渓で出るとは思いませんでした。
まぁ、その「まさか」と思う油断が遭遇の原因なんでしょうね。
備えあれば憂い無し。
お互い気をつけて、近々癒しのイワナ釣り
ご一緒したいですね♪

投稿: | 2006/08/28 22:51

いい渓ですね。
それに、写真がだんだん上手になりますね~。
特に最後のイワナのショットなんてすごくいい写真じゃないですか。

投稿: narukawa119 | 2006/08/28 23:12

narukawaさん、こんばんは!
写真、お褒め頂き有り難うございます。
godzillaさん師匠やterry師匠のお陰です(笑)

DMも有り難うございました。
先ほど返信しましたのでご確認ください^^ヾ

投稿: | 2006/08/29 00:37

こんばんは!
洋さんのコトですから、てっきり熊の写真も撮影しているかと思いましたが…(笑)
さて、またまたまたまた素晴らしい釣りを満喫されたようで…
自分は猛暑の郡上と、激シブ(だった、らしいです)の峠川で冷や汗ならぬ大汗かいてましたが

コレはコレで結構楽しかったです
今度は、是非峠川でその”絶好調”のお裾分けをお願いします(笑)

投稿: taro | 2006/08/29 01:05

taroさん、こんばんは♪
遭遇の瞬間に写真撮る余裕は無かったです。
シャッター音で気づかれたらヤバイですからね(笑)

峠川激シブだったんですね。
でも、そこで戦略を練りつついろいろチャレンジするのも
あそこの釣りの楽しいところですよね。
9月に是非ご一緒したいですね!

投稿: | 2006/08/29 22:00

こんにちは!この川は例の消防車ですか?
私もこの川にすれば良かったです。(失敗しました)木曽にはもう一回、行きますので今度こそ・・・。

投稿: ライズ | 2006/08/30 09:38

ライズさん、こんばんは♪
失敗したとか言って、しっかり尺アマゴ
釣られてるじゃないですか(笑)

この川は昨年ご一緒した川です。
小振りでも元気なイワナ達がいますから、
こちらにも是非足を運んでくださいネ。
都合が合えば、今年もご一緒しましょう!

投稿: | 2006/08/30 22:46

こんにちは。小生の師匠は熊観察を18年間続けています。
http://www.yokotaworld.com/

投稿: 熊大好き | 2006/10/01 06:41

熊大好きさん、コメント有り難うございます。
早速HP拝見させて頂きました。
熊への愛情が感じられる素晴らしいHPですね。
熊が鹿を引きずる写真には驚かされましたよ。

熊達が、最近、里に下りてくるようになったのも結局異常気象を作り出し、むやみに開発を進めた、
我々人間のせいなのいじょうね。

投稿: | 2006/10/01 13:34

洋さん、師匠のHPご覧下さりありがとうございます。

投稿: 熊大好き | 2006/10/01 20:50

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