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2005/03/27

約束の渓 

最近『寒の戻り』で冷え込む日が続いてましたね。
個人的にも、多忙だったり仕事上のちょっとしたモヤモヤがあったりして、
今日は渓に行こうかちょっと悩んだけれど、やっぱり行くことにしました。
朝起きると今朝は何だか暖かいし、「こういう時こそ渓に行かなくては」ってことですね。

行き先は、今シーズン2回目となる寒狭川上流の某支流。
9時半にのんびり自宅を出発し、開催中の万博会場を突っ切るグリーンロードも思いのほか空いていて、午前11時前には無事、現地到着。
前回と同じ支流を遡行するのも芸がないので、今回は初めてだけど前から気になっていた支流へ向かう。

分岐から少し入ったところに車を止め、早速身支度。
ぽかぽかと暖かい春の陽気の中、ウェーダー、ウェーディングシューズを履き、
しっかり靴紐を締め、クラベルカードを装着。
この陽気だから、もうウェーディングジャケットは車においていこう…。
シャツの上にすぐベストをまとい、キャップをかぶったら、最後に焦らずタックルをセット。仕事や都会の喧騒から、少しずつ自分が回復していく僕にとって大切な時間。

慎重に斜面を降り、渓に立つ。数週間前、寒々と見えた木々にもいつの間にか新芽が吹き、少しずつ緑が増えてき>ている。
明るい木漏れ陽の中に目を細めると、目の前を小さな山鳥が飛んでいくのが見える。
気温は12℃、「もう春なんだなぁ」と実感しつつ、4℃しかないひんやりとした水に凛としつつ、フライを結ぶ。

嬉しいことにその渓は上から見て思ったほどのボサでもなく、僕の7’11のロッドでも充分対処できそうだ。kansaj20050327005
林道のこの先はゲートになっているから、もしかしたら先行者もいないのかもしれない。
コカゲロウやカワゲラのハッチも多く、
何だか期待できそうだ。
目の前のきらきら輝く水面へ、思うままのループでファーストキャスト…。
残念ながらこれには反応は無かったけれど、春の渓の溢れる光の中、釣り上がりを開始した。
テンポ良く軽快に、そしてとても気持ちよく。
7X・10フィート強のリーダーシステム、フライは勿論ドライフライだ。

しばらく釣りあがったところの巻き返しにフライをプレゼントすると一瞬水面が割れた。
これはのらなかったが、サカナの反応があることに安心する。
まぁ、ハヤかもしれないけれど。
サカナがいることが分かると、俄然集中力が高まってくる。
慎重にストーキングし、上方後方のブッシュを確認する。フォルスキャストはできるだけ少なく、メンディングを駆使してフライは(技術の限り)ドラッグフリーに。

DSkansaj2005032702しばらく釣りあがったところで、プールに出た。いい感じの淵だ。
流れ出しへ静かにキャスト。偏光グラス越しに、フロータントを一杯吸い込んだアダムスパラシュートがぽっかり浮かんで流れだすのが見える…。
パシャ!今度はすかさずあわせる。
「よしっ!」 自然と声が出る。
ラインがピンと張り、ロッドが軽く曲がる…。
右手の人差し指にサカナと僕を結ぶラインをかけ、左手でラインを手繰る。
近づいてきたところで、ネットを出しサカナの頭から無事ランディング。
kansaj2005032701

前来た時よりワンサイズ大きい位のサイズだけど、この支流特有の綺麗なアマゴだ。
美しい渓魚を惚れ惚れしてると、ガツガツとした釣欲が薄れ、心が穏やかになる自分がいる。
今日は何だかいい感じだ。理由はわからないけれど、上手くいくような気がする。

その予感どおり、その後もヒットは続いた…。kansaj2005032703
アマゴ達はまだ瀬には出ていないようだったけれど、まるで僕来るのを知っていかのように(まぁそんなことはある訳ないけれども)、ちょっとしたプールで僕を待っていてくれた。
#18のアダムスパラシュートやソラックスダンを流すと、準天然のアマゴたちはとてもピュアにフライに出る。(今考えても)僕にはまるでスローモーションのようにそれが見えて、しっかりアワセる。少しずつ焦らず寄せて、ランディングし、丁寧にリリースする。
そんなことを何度か繰り返すうちに、だんだん心が無になっていくのがわかる。

自分の右手のアクションがロッドに伝わり、ラインがループを描いて僕の巻いた不恰好なフライをポイントへゆっくり運ぶ。そのループは僕の心の軌跡そのままだ。kansaj2005032704
淵の手前の流れにフライラインが引っ張られる前に、一定のリズムで上流にラインを打ち返す。正確に、そして柔らかに。その間、ドラッグフリーで流れるソラックスダンを見つめていると、そこにアマゴが何のためらいなく現れる。その瞬間、メンディングからアワセに一転、右手でロッドをあおり左手でラインを引く。
アマゴの動きを見ながら、無理せず寄せて、ゆっくりランディング。リリースした後も、その綺麗な姿が僕の瞼に焼きつき、胸をさらっていく。一度のバラシもなく、そんなことが続いた。

もしかしてパラダイスとは、こういうことを言うのかもしれない。
湯川豊さんの小説『イワナの夏』に「約束の川」という短編があるけれど、今日の、この時間帯の、この谷は僕にとって約束されていたような気さえするのだ。
それほど、とても素敵な時間だった。

渓を上がる頃、僕の心にあった仕事のモヤモヤや(村上春樹風に言えば)日常のオリのようなものは、春の陽気とともに、霞のかかる渓の空に消え去っていた…。

まぁ、こんな日があってもいいですよね。たまには(笑)

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コメント

洋さん、こんばんは。
今日の陽気といいこんな綺麗なアマゴが釣れるとガツガツとした釣欲なんてなくなりますよね^^
何か読んでいると自分がその渓に立っている気分になりました。

投稿: attuu | 2005/03/27 20:05

attuuさん、こんばんは~。
やはり、最初の1尾が早くに釣れると
落ち着きますね。
1尾と0尾では凄い違いですもんね。

今日は暖かかったし、谷では風もなく、
久し振りに気持ちのよい釣ができました(^^)

投稿: | 2005/03/27 21:38

うらやましいかぎりです。

来週末は、嫁さんの実家の方に行くので
多分、解禁を迎えれそうです。
(釣れるかどうかは別問題ですけどね…)
今日、初めてフライを巻いてみました。
難しい…の一言です。
今週末までに何個かストックしようと思ってますけど、何個作れますかね~。

投稿: いと | 2005/03/27 23:16

洋さん、こんばんは

イイ釣りをしましたね!
年に何回(何年かに1回かもしれませんが)
時の流れが止まっている、というより「止まる寸前」で
ゆっくりと時間が流れている中で渓流に立っているような
不思議な感覚になることが自分もあります

暑いとか寒いとか、腰が痛いとかのどが渇いたとか…
そういう感覚がすべて鈍くなったような状態で
ただ流れていくフライを見つめているという時間
こんな1日があるから、フライをやめられないのだと思います

そんな日が今年もあるといいなぁ…


投稿: taro | 2005/03/28 00:18

洋さん、こんばんは

私も通う当貝津川でそんなに
釣れるんですね。やはり
テクニックの差でしょう。

本日、私も当貝津川へ行く
つもりでしたが、この雨のため
予定変更。加藤毛ばり店で、
タイイングスクール受講&
ツール一式を買ってしまいました。
これでまた、フライの世界に
どっぷりとはまって行きます。
怖い世界ですね。(^^)

投稿: BILL | 2005/03/28 17:32

ををを!サビのとれた綺麗なアマゴですね!!

この土日はまたまた遠征でした。
その道中、友人と当貝津川の話も出て盛り上がりましたよ!!

もう少し暖かくなったら一度ご一緒しましょうね!

投稿: Rolly | 2005/03/28 21:49

いとさん、どうもです。
今回は、僕にしては珍しく
ツイてましたね♪
確かにフライタイイングは難しいですが
苦心して巻いたフライで釣れた時の喜びも
ひとしおですよ(^^)
来週末の解禁、よい釣りになることを
祈ってます。

投稿: | 2005/03/28 23:12

taroさん、こんばんは。

>時の流れが止まっている、というより
>「止まる寸前」でゆっくりと時間が
>流れている中で渓流に立っているような
>不思議な感覚になることが自分もあります

まさにそんな感じでした。
先行者とか、時間とか、いつも気になることが
全く気にならない。
邪念みたいなものが渓の中で浄化され
ただ無心にロッドを振っていたような気が
します。

こんな釣行がまたいつかできたら
幸せですね(^^)

投稿: | 2005/03/28 23:23

BILLさん、こんばんは~。
前日比の気温の上昇とか先行者なしとか、
ただ、ツイてただけで、
実力はへなちょこですよ(^^ヾ
ちなみに当貝津の本流の方は、
風やらプレッシャーやらで全く
ダメのようでしたよ。

あと、タイイングツール、ついに
ゲットされましたか~。
僕も最初は加藤さんに教えて頂きました。
怖い世界ですが、楽しい世界です。
一緒にどっぷりはまりましょう(笑)
僕の場合、フライタイイングを始めて
自分の不恰好なフライに自然と愛着がわいて
ロストしないように雑なキャストをできるだけ
少なくしたり、フックシャープナーを
頻繁に使ったりするようになりましたね。
フライそのもののデキより、案外そんな所が
釣果に繋がるのかもしれません(^^)

投稿: | 2005/03/28 23:42

Rollyさん、こんばんは。
遠征、お疲れ様でした~。
当貝津川のあたりは名古屋からも
気軽に行けるのでいいですね。

暖かい盛期の川で
ご一緒するのが楽しみです(^^)

投稿: | 2005/03/28 23:49

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